■ストレスは勝手に減らない
よく育児でストレスを溜めて失敗しやすい人は「時間が経てばマシになる」「もっと自分がしっかりしなきゃ」といった具合に考えてしまいがちです。しかし子育てをしている以上、ストレスの大半はいつまで経っても消えませんし、落ち込んでいる自分に対して「がんばななきゃ」とムチを入れるのは、かえってうつ病などのリスクを増やしてしまうのです。
ここでは子育ての悩み・ストレスを放置するとどんな症状が出てくるか、主なところを紹介していきます。
■身体的な症状が出てくるケース
まずは精神的な症状だけでなく、身体的な症状も出るような場合を解説します。
【うつ病】
現代では「うつ病は心のカゼ」と言われるほど一般的な病気になりました。子育てに悩む女性のほか、職場ストレスによって心身ともに追い詰められたビジネスマンが多くうつになります。だいたい平均して3%もの人がうつ病にかかっていると言われています。
何事にもやる気が出ない、気分がいつも落ち込む、いつも周囲に対して申し訳ない気持ちがある、といった症状が多くのケースで出ます。抑うつ状態が重くなると、自殺してしまうこともあります(過労死自殺の多くはうつ病によるものです)。
そして身体的には、睡眠や食欲の異常、体がだるくて動けないといった症状が出てきます。
最近はセロトニンという脳内物質がうつ病に関わっていることが判り、副作用の少ない抗うつ剤(SSRI)で治療の成功率が上がりました。あとはカウンセリングなど精神療法を組み合わせて治療します。
ちなみに、もしあなたの身近に育児うつにかかった人がいたら「がんばってね」という励ましは禁句です。うつ状態の人はがんばりたくても出来ないので、励ましのつもりが逆に当人を追い詰めてしまうことになるのです。もちろんあなた自身も、うつに近い症状を自覚してきたら早めに心療内科・精神科を受診するようにしてください。
【自律神経失調症】
女性の場合は育児ストレスのほか、更年期にホルモンバランスが崩れて症状が出ることもあります。人によってどんな影響が出るかは異なり、下痢や便秘、気管支ぜんそく、生理不順、動悸や目まい、睡眠障害など多くの症状が現れてきます。
症状のせいで誤解されがちですが、自律神経失調症の受け持ちは内科ではなく心療内科や精神科、つまりうつ病と同じ診療科になります。
治療は薬剤を使うほか、カウンセリングだけで治ってしまうこともあります。
次ページでは、さらに精神的な症状が出てくるケースを解説します。